身元保証はどのような場面で必要となるのでしょうか。
身元保証人は、生活の支援、施設への入居時、医療の同意、病院への入院時、ご本人が亡くなったとき、と様々な場面で求められます。
身元保証人をお願いできる人がいない場合には、こうした場面になってから、必要になって急いで手配するのではなく、あらかじめ専門家に相談しておくことが大切です。

こんな時、身元保証

生活の支援

ご本人の生活をサポートするために次の様な対応が身元保証人に求められます。

具体的に…
●ケアプランの確認 ●薬の変更、確認
●往診医の判断の確認 ●小口の補充
●健康状態の確認 ●お金の管理

施設の方からの連絡の対応をしたり、小口の補充等適宜連絡を取り合うことができる人を身元保証人として立てる必要があります。

施設への入居時

老人ホームや施設に入居する際に身元保証人が求められます。
近年はご高齢の方が身元保証人になることをご遠慮いただくような施設も多くなりました。
ご高齢の夫婦二人で生活されている場合、お互い以外の身元保証人を見つけなくてはいけない状況も見受けられます。

具体的に…
●身元保証人・連帯保証人
施設費用を代わりに支払いができる人。家族のように医療や介護の方針確認ができる人。
●施設移転手続きの際
施設の方と連携して移転手続きの対応ができる人。

医療の同意

終末期では、本人自身に意識がない、あるいは意識があっても判断能力がない状態が多く、その場合、医療の現場では、家族や親族にその判断を任せられるのが通常です。近くに身内の方がいない場合は、身元保証人となっている人にその相談が行く形となるケースが大半です。

具体的に…
●治療方針を医師に伝える ●手術の同意
●容態急変時の緊急駆け付け対応

医師との治療方針の確認対応ができない人は身元保証人の役割を果たせません。

病院への入院時

医療費の支払いや緊急事態の対応のために身元保証人が求められます。事前に誰に頼めるか検討しましょう。

具体的に…
●入院手続き(入院時の頭金5~10万円の支払い)
●本人に代わって病状の説明
●退院時の医療費などの精算

病院の入退院の手続きで、病院に訪問して対応ができない方が身元保証人になってしまうと、病院にも施設にも大きな迷惑をかけてしまうほか、当人も退院できなく困るケースがあります。

ご本人が亡くなったとき

ご本人が亡くなったとき、医師とともに死亡確認をし、身元の引き受けをする身元保証人(身元引受人)が必要となります。

具体的に…
●死亡確認 ●死亡診断書の受け取り ●葬儀社の手配

こうした役割は関係性が遠い親戚や知り合いにとっては、非常に負担の大きい手続きとなります。名前だけ書いてもらったような場合、対応を断られてしまうケースもあり、大きな問題となってしまいます。

葬儀・供養の手配

身近に家族や親族がいない方、身寄りがない方は、どのようなご葬儀や供養を望むのか、誰に葬儀の手配をお願いするのか、またその費用をどのように準備するのかを事前に決めておくことが必要になります。

具体的に…
●葬儀方式の確認 ●葬儀費用の支払い
●火葬後の納骨先の確認 ●供養の方式の確認

ご逝去後に速やかに上記の手続きを行える人が必要となります。方針を身元保証人に伝えておかないと、お墓の扱いなどでトラブルになりかねません。

死後事務手続き

ご本人が亡くなった後は、入院費用や介護施設利用料、ご葬儀、供養費用などの各種費用の精算をする必要があります。
その他にも介護施設の荷物の片づけや行政機関への各種届出等様々な手続きを行わなければなりません。
これらの手続きを家族に頼めない方、身寄りのない方は、事前に誰にお願いするか決めておきましょう。

具体的に…
●住宅や施設の部屋の片づけ ●医療費の精算
●年金受給停止手続き ●高額医療費の還付
●電気・ガス・水道等のライフラインの解約手続き
●各種行政手続き

このような手続きは2~3か月にわたって、30~50時間かかるちょっとした量の仕事になります。ご家族にお願いできない場合にはしっかりと身元保証人にお願いするようにしましょう。